ラオスにおける第9回National Health Research Forumに参加

2015年10月13日から14日にかけて、ビエンチャンのドンチャンパレスホテルで行われたNational Health Research Forum(NHRF)に参加しましたので、報告致します。

NHRFは、ラオス政府が国家目標として掲げる保健政策に係る調査能力の向上を目的として毎年開催される会議で、今回はラオス、日本、タイ、オランダ、フランスなどの国から約200名の研究者、NGO、ラオス政府職員等が、それぞれの研究成果を35のプレゼンテーションと26のポスターで発表しました。一日目は、ISAPHも大変お世話になっている議長のコンサップ先生の挨拶と趣旨説明の後、マラリア・母乳育児の事例発表がありました。二日目は、母子保健・喫煙やアルコールが健康に与える影響・予防接種のキャンペーンの成果などの事例の発表がありました。

ISAPHは、今年の4月に実施した第3期MOU(了解覚書)の報告会を基に、ポスター発表を行いました。ISAPHの10年間のカムアン県セバンファイ郡での活動は、県・郡保健局、ヘルスボランティア、女性同盟とも協力して、健康教育等の活動を行うことによって、5歳未満の低体重児割合の減少、健康教育参加率の増加、自宅分娩率の減少、ビタミンB1欠乏症による死亡者の減少等の成果を上げてきました。NHRFの1日目に行われたパネルディスカッションで、調査に係る財政面と人的な課題について議論になりましたが、カウンターパートと協力して健康教育を行ったISAPHの活動成果は、この議論に対する一つの参考事例になると思いました。

今回のポスター発表にあたり、資料作成で詳細にご指導頂きました聖マリア病院国際事業部部長・ISAPH理事の浦部大策先生に感謝申しあげます。私自身、このような会議での資料作成、ポスターでの発表は、恥ずかしながら初めての経験で、浦部先生には基礎的なところからご指導頂きました。今回NHRFでISAPHの活動を紹介するにあたって、自分たちの活動成果をどのように第三者に見せ、理解してもらうかという点を意識しながら、資料を作成しました。このことはNHRFでのパネルディスカッションでも取り上げられた、調査でのカウンターパートへのアカンタビリティー(説明責任)にも繋がっていくと思います。また、NHRFの会議の合間にコーヒータイムや昼食会、懇親会などに参加された方との交流があり、多くのインプットを頂きました。今回のNHRFでの成果発表および関係者との交流を通して大変勉強になり、このような貴重な機会を頂いたことに感謝しています。

NHRF参加の一週間前には、ISAPHは新規MOUの活動を計画しているサイブートン郡でベースライン調査を実施しました。ISAPHのセバンファイ郡での活動成果と今回NHRFに参加して得た貴重な体験を、これからのサイブートン郡での活動にも活かしていきたいと思います。

ISAPH LAOS 武繁 政昭

ポスター展示を参加者に説明

議長のコンサップ先生と

参加者全員で集合写真