ご寄付頂いた靴をラオスの活動地域に配布しました

ISAPHラオスのカムアン県セバンファイ郡での活動では、栄養改善を中心とした母子の健康増進のための活動を行っています。活動における問題のひとつは、栄養の吸収を阻害する要因である腸管寄生虫の感染率が高いことです。特に鉤虫の感染率が高く、鉤虫はトイレの後に手をよく洗わずものを食べると口から感染しますが、土壌にも幼虫が居り、皮膚を突き破って感染するため、裸足で歩かないことが感染予防につながります。しかしながら、活動地域では靴を履く習慣がないため、健康教育を行ってもなかなか靴を履いてくれません。

長年ISAPHをご支援頂いているりそな銀行久留米支店の方にそのようなことをお話したところ、同支店長のご尽力により株式会社ムーンスター様から子ども用運動靴100足をご寄付頂けることになりました。また、カンダホールディングス株式会社様のご支援によってラオスまでこの靴を輸送して頂けることになりました。6月にお送り頂いた靴は寄生虫予防のキャンペーンとして、日頃ISAPHの定期活動で村人の健康増進に携わっているセバンファイ郡のカンペータイ、カシ、シーブンフアン地区の保健ボランティアと女性同盟の子ども達に配布し、靴を履いてもらい、靴の普及活動にご協力頂いております。その3地区のうち、シーブンフアン地区には既に配布しており、今回10月28日にカシ地区の対象者22名に靴を配布致しましたので、ここに報告致します。

郡保健局職員と保健ボランティアによるモバイルクリニック活動では、5歳未満の子どもの身体計測や、栄養や衛生の健康教育活動を行っています。2015年の1年間は、ISAPHはこの活動に直接的な支援を行わず、郡保健局主導で行われていますが、その活動もだいぶ軌道に乗っています。保健ボランティア、女性同盟と郡保健局職員に対し、靴をお届けすることになった経緯を説明し、健康増進のために靴を活用して頂くようお願い致しました。保健ボランティアと女性同盟の子ども達は、普段履くことができない丈夫な日本製の靴を手に取って、とても喜んでいました。子ども達は早速靴をはいて、ボールを蹴ったりして、元気に遊んでいました。村の子どもたちの活き活きした姿を見て、靴に対する興味や関心を抱いてくれることを期待しています。村の住民は貧しいですが、携帯電話やテレビを購入する人が増えています。靴もその重要性と履くことの快感が分かれば購入する住民が増えると確信しています。

ISAPHのセバンファイ郡での活動は、今年の12月で終了しますが、ISAPHが活動を開始した2005年以降、築いてきた信頼関係と実績は消えることはないと思いました。ISAPHの名前にもある通り、村人たちの健康増進のためのパートナーシップを構築していくという点では、今回のような日本の企業の皆様との連携も一つの形であると思います。改めて、今回ご寄付頂いた靴の配布に携わって頂いた株式会社ムーンスター様、カンダホールディングス株式会社様、りそな銀行久留米支店様に感謝申し上げます。頂いた靴を履いた子ども達の成長を楽しみに、来年1月以降もセバンファイ郡での活動が途切れることなく、より一層の成果を上げることができるようこれからも見守っていきたいと思います。

ISAPH LAOS 武繁 政昭

真新しい靴を履いて記念撮影(カシ地区)

早速サッカーをする子どもたち