マラウイ「子どもにやさしい地域保健プロジェクト」中間レビューを実施して

2013年5月より開始したマラウイ「子どもにやさしい地域保健プロジェクト」は早いもので既に1年半が過ぎ、折り返し地点に来ました。中間レビューは必ず行わなければならないものではありませんが、プロジェクトの中間地点でどの程度の活動成果が出ていて、問題点は何か、今後終了時に向けどういった活動をしていったらいいのか軌道修正する上でも重要な活動です。その中間レビューを2014年12月18日にマラウイの首都リロングウェにて実施しました。今回はその内容について報告いたします。

プロジェクトは栄養不良児の改善を目指しています。対象地域では食習慣による食物摂取量の不足や栄養バランスに対する母親の認識不足などから、他の地域と同様に長期の栄養不良である低身長の子どもが多い状況です。プロジェクトは地域のボランティアや母親グループのリーダーたち、そして住民の健康を守るため村レベルで活動する政府の保健要員である健康監視員とともに活動しています。研修を通して栄養に関する知識を学んでもらい、少しでも子どもの栄養状態が良くなるよう、その知識を彼らが母親に教えています。また、栄養状態は毎月、村で実施している成長モニタリングによる身体計測で把握しています。健康は病気になったときにその大切さを実感するように、効果が目に見えにくいこのような保健活動は短期間で成果を出す難しさがあります。

中間レビューには保健省、県保健局のカウンターパート、JICAマラウイの当プロジェクト担当者、プロジェクト職員、日本からプロジェクトマネジャー、ISAPH事務局長、聖マリア病院広報担当部長の計16名が参加しました。中間レビューでは活動で把握した栄養不良児の割合、成長モニタリング参加率、ベースライン調査結果、活動実施状況(母親グループやボランティアによる活動、健康監視員やボランティアへの研修、活動村の拡大活動)、問題点(健康監視員が村在住でないことによる弊害、健康監視員の県保健局への報告遅延、村での子どもの診療に必要な薬剤不足、地域での補助食による栄養不良児への対策が十分機能していないこと、健康監視員やボランティアへ日当を支払わないことに伴う問題)、今後の活動方針(身の回りにある食材で子どもたちが必要な栄養を日常的に摂取する方法の確立、急性栄養不良児に対する栄養補給の方法、健康監視員との協力体制の強化、村のボランティアの育成)を発表し、その後、関係者間で問題点について話し合いを行いました。話し合いの相手は日頃から活動を共にしてきた関係者のため和気あいあいとした雰囲気の中、活発な意見交換ができました。特に日当問題については白熱したものとなりました。具体的にはボランティアの活動を評価してそれに応じて報奨する(活動に必要なものを提供)、モチベーションを高める方法として県保健局長や役職が高い人との会議に参加してもらうなどでした。インセンティブの問題は容易に解決できるものではありませんが、カウンターパートと問題点及び解決策を共有できたことは一歩前進と思われます。今後もカウンターパートとは密に接触を図り、最終ゴールを目指して活動を共に進めていきたいと思います。

ISAPH事務局 齋藤 智子

中間レビューの様子

参加者全員でにこやかに記念撮影