聖マリア学院大学スタディツアー

2014年8月31日~9月5日に、聖マリア学院大学のスタディツアーの受け入れを致しました。参加者の方からいただいた報告を以下に掲載します。

ISAPH 事務局

スタディーツアーから学んだこと

8月31日から9月5日までの6日間、ISAPHのスタディーツアーに参加しました。私は、ラオスの母子保健で問題となっている食物タブーに関心を持ちました。ラオスでは各家庭において食物に関して伝統的なしきたりがあり、代表的なものとして産まれたばかりの赤ちゃんに対してお母さんがモッカオというもち米を柔らかくしているものを与えていることを学びました。このことが、赤ちゃんのビタミンB1欠乏による死や窒息死を引き起こしており、対策としてISAPHが健康教育やB1サプリメント配布を行っていることを知りました。

また、ドンマークバー村で健康教育をさせていただく機会をもらい、お母さんと子どもを対象に学生3名で手洗い指導を行いました。多くの子どもたちが積極的に参加してくれて、私たちも楽しんで指導することができました。

スタディーツアーを通して、多くの方にお世話になりました。私がラオスの皆さんやISAPHに恩返しとして出来ることは、他の学生にラオスの医療の現状を伝えることだと思っています。私の大学では、iサイクルといってペットボトルを処分する際にキャップを別に収集した後リサイクルし、そこから得た収集金をラオスに寄付しています。iサイクルを行うことの意義を伝えていくことも私が出来ることであると考えました。今回学んだ経験を残りの学校生活、看護師として臨床に出たときに生かしていきたいです。スタディーツアーに参加できて本当に良かったです。ありがとうございました。

聖マリア学院大学4年 熊谷 茉莉

ドンマークバー村での健康教育の後

ラオスでの健康教育を通しての学び

ラオスで母子を対象とした衛生学的手洗いの健康教育を行いました。当日は妊産婦健診と1歳児健診の日でしたが、地域の方々の事前の呼びかけにより健診の対象以外の母子にもたくさん集まってもらうことができました。ラオスの地域の人々のつながりの強さを実感しました。

手洗い指導の際は学生が日本語で指導しISAPHの方に通訳をしていただきました。日本で行う健康教育は言語的コミュニケーションが可能なため臨機応変な対応や声掛け、対象の発言を聞くこともできます。ラオスは日本と言語が異なるため言語的コミュニケーションを取ることが難しく、対象者の表情や動きから理解度を判断しなければならなりませんでした。子どもたちと手洗いを実施した場面では言葉で伝えたいことも沢山ありましたが伝えられないもどかしさがありました。しかし、子どもたちのすぐそばで一緒に手洗いをしながら笑顔に触れていると言葉で伝えられなくても身振り手振りでも伝わる部分があることを学びました。

今回の健康教育を通して日本での実習では言語的コミュニケーションに頼りすぎていたことに気付くことができました。将来看護師として働く場面では今回の経験を生かし患者さんや家族の方の非言語を敏感に感じ取ることのできる看護師になりたいと考えました。次回、言語が異なる地域で健康教育を行わせていただく機会があった際には現地の言葉でできるよう練習したいと考えました。

聖マリア学院大学4年 中西 奈美

手洗いの実施

ISAPHの事業を通して学んだこと

今回ISAPHの活動について話を聞き、実際に事業地域を見て、その土地の文化や風習などからくる健康問題があるということ、また、それに対して介入していく難しさを感じました。

ラオスには食物タブーのある地域があり、その土地の風習として産後の母親が食べられるものが制限されている、母乳は悪い物であるという考えがあるなどの問題があります。それに対し、母親や住民にパネルシアターやめくり型紙芝居といったISAPHオリジナルの健康教育教材を用いて栄養や母乳育児に関する健康教育を行い、介入していました。

また、事業地域の見学の際、妊婦に対して鉄剤を配っていましたが、その地域では漢方ではない薬は「冷たい薬」と呼ばれており、薬の説明は慎重に行っているという話を伺いました。その他にも、妊婦はお腹が大きくなって初めて子どもができたと認識するため、妊娠週数がわからないなどの問題があり、妊婦健診では現地の助産師が子宮底の高さから妊娠週数を推測しており、高い精度で妊娠週数を確定できるとのことでした。

今回の体験を通し、ISAPHでは地域の特性を理解し、現地の人との連携・協力によりその地域に合った方法で介入していると感じました。実際に事業地域で健康教育をさせていただいた際に、住民の方の笑顔が見られ、手洗い実施の際には子どもたちが積極的に参加してくれるなど、受け入れが良いと感じました。また、子どもたちの手の洗い方から以前から衛生指導をきちんと受けていることが感じられ、こうしなくてはならないと押しつける形ではなく、その土地の人々の考え方も尊重することで健康問題に対して効果的に介入できると学びました。

聖マリア学院大学4年 藤田 祐希

健康教育に参加してくれた子どもたち