聖マリア病院初期臨床研修プログラム 地域保健・医療分野 国際保健コース

2014年2月13日~20日に、聖マリア病院初期臨床研修プログラム 地域保健・医療分野 国際保健コースの受け入れを致しました。参加者の方からいただいた報告を以下に掲載します。

ISAPH 事務局

ラオス国際医療研修に参加して

今回、2014年2月13日~20日の8日間にわたり、ラオスでの国際保健研修に参加させてもらいました。研修内容はラオスでの寄生虫問題についてです。現地に行く前に研修テーマを決めた時は、何から手をつければ良いか分からない状態でした。というのも、日本では寄生虫は稀な症例であり、寄生虫に対してイメージが湧かなかったからです。しかし、出発前の準備期間でラオスでの寄生虫問題の重大さが見えてきて、現状を把握したい気持ちが大きくなりました。実際に現地に行き、聞き取り調査を行い、自分の目で見て、聞いて、感じることでラオスの現状と寄生虫が未だ広範囲に蔓延していることを実感しました。

では、この蔓延している寄生虫問題をどう解決していくか?「感染源や感染経路を断つ」口で言うことは簡単ですが、具体的にプランを形成し、文章で表現することは難しいものでした。しかし、これを解決してくれる手法がPCM(Project Cycle Management)です。出発前の講義によりAction planを形成する上で、考えを整理、固めることができました。日本とほど遠い環境下でのラオスの文化に触れながら、国際保健活動を学べたこと、保健、予防の重要性を学べたことは私にとって大きな財産となりました。また途上国への支援には色々とありますが、自立できるような支援の必要性とその難しさを痛感しました。

最後になりますが、浦部先生を初め、国際事業部、講義をしていただいた先生方、ISAPHの皆様のおかげで、有意義で充実した8日間となりました。本当にありがとうございました。

松浦充洋

聞き取り調査の様子

ラオスにおけるISAPHの活動視察を通して

私は国際保健に興味があり、2014年2月13日~20日の期間で、ラオスのカムアン県セバンファイ郡カンペータイ地区コクトン村コクトン集落及びソム村でISAPHの活動に参加させていただきました。今回、私はISAPHが行う様々な活動の中からモバイルクリニック活動(予防接種・成長モニタリング・健康教育)に同行させていただきました。

まず日本出国前には、世界保健機関(WHO)が行う拡大予防接種計画(以下EPI)及びラオスの感染症・予防接種状況を文献等で把握しました。EPIは6つの感染症(結核、ポリオ、ジフテリア、破傷風、百日咳、麻疹)に対するワクチン接種を主としており、ラオスでは2000年にポリオ根絶達成が宣言されました。次なる根絶目標として強調されている感染症が麻疹であり、今回はラオスにおける麻疹の流行状況・予防接種状況を調査したい希望を伝えました。

訪れた村はいずれも100世帯程度が暮らす小さな村落であり、上下水道等のインフラ整備はなされておらず、家屋は高床式でした。そこで計28家族に麻疹の既往・予防接種歴等の聞き取り調査を行いました。また、県保健局及び郡保健局を訪ね、麻疹の流行状況・予防接種率等の情報を拝見しました。結果、①半数以上の住民が麻疹症状を認知していないため、多くの麻疹症例は報告されず、行政機関が麻疹症例を正確に把握していないこと、②麻疹予防接種は生後9~23ヶ月の期間にMMR(新三種混合ワクチン)として一回接種されるが、行政機関は生後11ヶ月までの予防接種歴のみ集計しており、12~23ヶ月までの予防接種率を把握していないこと、③末端機関と中央機関の間で情報共有ができておらず、両者のデータが矛盾していることが問題点として挙げられました。これらを解決することでカムアン県の麻疹定期予防接種システムを再構築でき、ひいては麻疹根絶に必要とされる麻疹定期予防接種率90%以上に繋がると考えられました。

今回ラオスでISAPHの活動に参加させていただいたことで、国際保健により興味をもつことができました。最後に浦部先生はじめ、ISAPH職員、訪問を受け入れて下さった病院職員、その他お世話になった関係者の皆様にこの場を借りて感謝申し上げます。

木村晃久

夕暮れのメコン川を背景に

ラオス研修を終えて

今回私たちは国際保健コースの一環として、開発途上国における公衆衛生的な問題をテーマに、後開発途上国で世界最貧国の1つでもあるラオスについての現状を知りました。具体的にはラオスという国自体について、国が抱える問題点や、現地に出向く事によってラオスの生の実状を習得あるいは体感する事ができました。

また、普段の医療では経験する事のできない公衆衛生的な考え方を学ぶことができました。各NPOの団体がどのように問題点を抽出し、どうやってそれを整理し、どういった形でそれを計画に移し行動しているかを学び、実際にその計画を立案する研修までをも経験することができたのは非常に大きな成果だと感じています。

現地での講義や訪問を通じてISAPHの方々の活動も知ることができました。住民の健康増進や保健局との架け橋に尽力されており、実際に現地に出向いた際も非常に活動の効果を感じました。今回は私たちの調査のお手伝いもしていただき円滑に調査を終えることができました。

ISAPHの活動と今回の私たちの調査を通じて感じたことは、啓蒙活動をすれば少なからず効果が表れること、一方で活動をしていない地域とのギャップが生じていること、その背景には郡や県保健局の方々の役割が不十分であるということです。保健局の方々による住民データの把握は非常に曖昧で、上層部に提出するためのみの実際とはギャップのあるデータでした。そのことを彼らはあまり問題としておらず、健康に関する知識はあるにも関わらず、それを住民に浸透させようという意識が垣間見えませんでした。このことが、今後のラオスの社会開発における大きな問題のひとつではないかと感じました。

最後になりましたが、現地ではISAPHのスタッフの皆様に、活動、通訳、食事、観光も含め様々な面でお世話になりました。ありがとうございました。

西岡慧

県保健局にて