ラオスにおける健康教育セミナー参加報告

ISAPHラオス地域母子保健プロジェクト主催 健康教育セミナーに参加して

ISAPHにおけるラオスでのフェーズ3の活動の中心は、フェーズ2で乳幼児の栄養状態の改善や栄養障害による乳児死亡の削減に貢献した健康教育手法の普及である。現在活動地域のカンペータイ地区とカシ地区にISAPHの健康教育手法を導入している。このISAPHの健康教育手法については、カムアン県保健局より県内の他の郡保健局関係者への指導の依頼を受け、フェーズ3の活動計画にあげていた。幸い株式会社リコーの社会貢献クラブ・FreeWillの助成金を受けることができたため、今年度の事業として計画し実施した。健康教育の推進はラオスの保健政策の中でも2012年から強化項目としてあげられたことから、県保健局健康教育課の職員も非常に意欲的でセミナー実施にはとても良いタイミングとなった。

セミナーは6月12日から14日までの3日間実施された。筆者も健康教育教材指導という役目で参加した。12日の午前8時からのセミナー受付準備で私たちが到着した時に出迎えてくれたのは受講生23名であった。受講生らは「サバアイディ(おはよう)」と明るい笑顔で私たちに挨拶を投げかけてくれ、その表情からも研修に向けての意欲と期待が伺えた。研修は8時半からの開始で、開会での挨拶を述べる局長も8時半ジャストに到着し、研修は非常に順調な滑りだしとなった。

今回の研修では、健康教育についての基本的な知識の習得と、ISAPHの教育教材であるパネルシアター、フリップチャート、ポスターなどの有効利用についての講義に加え、グループワークによる知識の応用、更には村の住民を対象とした実践さながらの実習に至る、理論から実践までを網羅したバランスの取れた研修内容であった。

私は、ISAPHが実践してきた「分かりやすく、楽しく、興味がもてる」健康教育における基本的な考え方を説明した他、絵で楽しめるパネルシアターの指導を行った。セミナーのプログラムはハードに思えたが、講師も受講者もその時間を更に延長し講義や質疑応答を続ける熱心さには驚かされた。

最終日の実習では、セミナーで指導を受けた注意点を踏まえ、各グループとも住民との対話によりコミュニケーションを深めつつ、「分かりやすく、楽しく、興味がもてる」健康教育を行うことができていた。この研修を弾みに、各受講者の担当地域において今回学んだ事を生かした健康教育が実践させることを切に願う。

研修者からは、次回は栄養指導に関する健康手法や健康教育教材について学びたいとの意見があがった。可能であれば来年度も郡保健局やヘルスセンター職員を対象とした健康教育手法研修会を開催できればと思う。

最後に、このセミナー開催に向け準備から講義、指導に至るまで意欲的に行ってくれたカウンターパートの県保健局健康教育担当者の皆さんと、このセミナー開催にご支援を下さった株式会社リコー社会貢献クラブ・FreeWillに深く感謝を申し上げたい。

健康教育教材の指導

グループワークの様子

実習の様子

ISAPH事務局 磯 東一郎