日本国際保健医療学会学生部会フィールド実習

平成25年3月13日~22日と3月25日~29日に、日本国際保健医療学会学生部会のフィールド実習の受け入れを致しました。参加された2名の方の感想文をご紹介致します。

ISAPH 事務局

ISAPHラオスプロジェクトでの実習を終えて

10日間の実習を通して途上国ラオスの実情を知ることができて非常に良かったです。病院や保健局の視察、モバイルクリニックの見学を行ってラオスの医療レベルがいかに低いかを知りました。それをもとにプロジェクトがどのように立ち上げられ、実行し、最終目的へと向かっていくのかという全体像もスタッフの方から聞きました。プロジェクトは目先の状況改善を目的とするのではなく、1、2年後に現状からの脱却を図ることがゴールであると聞いて納得しました。ゆくゆくは日本人が介入することなく、現地スタッフだけの手で保健活動を行うことができるようハンドオーバーしていくつもりであるということも聞き、自主性を養っているのであることも知りました。いつまでも先進国の援助を頼っていては途上国が成長することはありません。したがって、どこまで援助をしてあげるかという裁量も大切になってくることがわかりました。

また、ラオスの生活様式は日本とはかなり異なっており驚きました。特に驚いたのが食習慣です。家の近くの木になっているまだ青い実をとってきて塩気の強いソースをつけて食べたり、生肉を味付けして食べたりするなど驚きの連続でした。さらに、ラオス人は1日3食ではなく、ことあるごとに常に食べているイメージがありました。コオロギやタガメなどの虫を平気で食べるのは日本以外の東アジアや東南アジアの食事と共通している部分だと感じました。日本人の口にはなかなか合わないような食べ物もありましたが、私自身、ラオス料理を堪能できてとても満足でした。

この実習で得たものは貴重なものであり、実際途上国の村に足を踏み入れるという体験をすることができたのは非常に有意義なことだと思います。今までテレビの向こう側の世界だったものを身近に感じることができて、世界観が変わるとともに自分の今後の選択肢が増えた気がします。この体験を発信していくことができれば、さらに良いかなと思います。このような機会を提供してくださったISAPHには本当に感謝しています。ありがとうございました。

順天堂大学医学部 中谷 諒

カムアン県病院での診察の様子

ラオスのスタディツアーに参加して

日本国際保健医療学会学生部会の国際保健学生フィールドマッチングという企画で、3月25日~29日の5日間、ISAPHのスタディツアーに参加させていただきました。なぜISAPHを実習先に選んだかというと、地域保健に関心を持っていたからです。病院で待っているのではなく、病院にアクセスできないような人々の生活の場へこちらから出向いていくような形で健康問題に関わりたいと考えていたため、ISAPHは実習先としてうってつけでした。

ISAHPの事務所に宿泊させていただいたので、活動のハイライトだけではなく日々の仕事の様子も見せていただくことができました。また、ベースラインサーベイ報告書やPDM(project design matrix)等の資料を見せていただき、プロジェクトがどのような根拠に基づいているのか、一つ一つの活動がどの成果を達成するために行われているのかを、実際の様子とつなげることができました。モバイルクリニックの見学の際には、去年あたりから健康教育は保健局の人間がやるようになったこと、2~3年後にはVHV(village health volunteer)ができるようになることを期待していることなどを伺いました。着実に進歩していること、成果が出るには長いスパンで見なければいけないことを痛感しました。

すぐに成果の出ない活動に取り組むということは、私にとって大きな不安でした。しかしISAPHの活動を見て、地域に根差した継続性のある活動はやはり重要なことだと改めて感じ、目標が明確になったように思います。短い滞在でしたが、大きな収穫がありました。ありがとうございました。

聖路加看護大学看護学部 伊藤 ひとみ

郡保健局表敬訪問