2006/04/15

臨床研修医制度「国際保健コース」フィールド実習の支援

聖マリア病院国際協力部長[ISAPH 理事]  浦部 大策

一昨年の2004 年に新医師臨床研修制度が始まりましたが、その際、聖マリア病院では地域保健・医療の一環として「国際保健コース」を開設しました。

国際保健の主たる業務は、つきつめていけば「海外の、或る地域を対象とした地域保健・医療活動であり、言語、文化、社会発展度の異なる国・地域の環境下で実践する活動」と解釈できます。そこで聖マリア病院では国際保健を地域保健・医療(必修項目)研修の一部と位置づけ、地域保健・医療の活動に重要な『アクションプランが作成できる(= その作成手順を通して論理的な物の考え方と組み立て方を理解する)』ことを目標に研修プログラムを作成しました。そして海外研修の場としてISAPHに協力依頼があり、ISAPHが全面的に協力する形でラオスでの研修が実施されました。

ラオスでヨード添加塩のフィールド実習を行う聖マリア病院「国際保健コース」の研修医(左側2 人)この度、無事国際コース研修医の研修が終了しましたが、結果からすれば非常に有益な研修を提供できたのではないかと思います。何らかの事例に対して改善策を講じようとする場合、その手順としては①状況分析、②目標設定、③活動計画、④活動のモニタリングと評価、という流れを論理的に組み立てることが必要です。この作業は一見簡単なことのようで慣れていないと結構大変です。研修医達には、自分達の選択したテーマに従ってISAPHの活動フィールドの一つであるコクトーン村で情報を収集し、上述のような流れに沿ってアクションプランを作成するという作業を行って貰いました。一連の研修を通して、研修医達も地域活動を展開する際の論理的思考の組み立て方をかなり理解できたのではないかと感じます。研修医側からも、他ではあまり勉強する機会の無い『論理的な物の考え方と組み立て方』を学習できたが、この思考の流れは地域保健に限らずいろいろな事例に出会った時に応用できるもので、研修内容に満足しているという反応が返ってきました。

今回、聖マリア病院研修医の研修をISAPHが支援する形でISAPHのフィールドを使って実習をアレンジしましたが、研修の過程で国際保健分野においては経験を若い世代に論理的に教えることの重要性を痛感致しました。日本では国際保健分野での仕事を希望する人達を育成する場が少なく、教育体制の脆弱さがしばしば問題になります。今回我々が実施したような教育活動を今後もISAPHの主要業務として続けていけば、日本の保健医療分野での人材育成に大きく貢献できるのではないか、と感じました。