2005/04/15

ヘルスボランティアの育成への取り組み

ISAPH LAOS  芝田 澄子

ヘルスボランティアが身体計測の実習を行っている昨年12月、村落での活動を開始すべく活動拠点のモデル村としてラオスのカムアン県セバンファイ郡にあるコクトーン村を選び、どのような保健サービスを受けているのか調査を行いました。ほとんどの母親は子供の成長を記録する黄色のカードを持っていました。このカードには、予防接種日や体重測定の記録、医療者の診察の記録を行います。しかし、村では診療所の職員により体重測定は行っていましたが、カードへの記載がなく母親への説明や栄養指導も行われていませんでした。また、村にはヘルスボランティアといって、保健サービスに関する仕事を無給で実施する人がいます。しかし、村人はその存在や役割を知りませんでした。そこで今回ISAPHとセバンファイ郡保健局と共に、村の住民の中から健康を担う人材としてヘルスボランティアへの研修を開催することになりました。研修内容については、保健局側の講師陣と何度も話し合いを重ね、3回シリーズとし、今回行った第1回目の研修は、ヘルスボランティアの役割、5歳未満の子どもの体重測定、栄養不良の子どもに対する栄養指導について行いました。準備段階ではテキストの内容を詰める作業に時間を費やしましたが、県保健局母子保健課課長など多くの人を巻き込みながら作成できました。また、研修前には実際の場所で予行練習を行ったので、研修当日のイメージができ、診療所から寺へ場所を変更したり、必要物品の再確認を行い不足分は補充したり、関係者間での役割分担を行いました。

3月1日から3日間研修を実施し、研修方法は講義を聞くという形式でなく、できるだけ参加型の研修になるように配慮しました。例えば、ヘルスボランティアになった理由や、現在行っている活動は何か、などをグループワークで話し合いお互いに発表しました。また、子どもの体重測定では実物大の人形を用い、実際に計測しケーススタディーで体重を成長カードに記録しました。栄養については、離乳食を実際に調理したり母乳の与え方を実演したり、参加者の発言が多く、常に笑いが絶えない研修でした。また、最終日には各村から村長も参加してもらい、実際に診療所のあるタムライ村の5歳未満の子どもたちを集めて体重測定を実施しました。学んだことをすぐに実践したことで、その後のグループワークでは、問題点として計測時の役割分担をどうするか、成長カードへの記録が困難という意見が多かったので、その後何度もケーススタディーを行いました。

3月15日から19日にかけて、実際に各自の村で体重測定を行う日程や場所など立案してもらった実施計画の日程に合わせて、講師陣と一緒にモニタリングを行いました。体重計測はできていましたが、成長カードの記録はできない人が半数いました。また、計測後の母親への説明や栄養不良児に対する対応(体重減少の原因追及や食生活について問診し栄養指導を行うこと)は、ほとんどできていませんでした。その理由として、まだ十分に栄養指導を理解していないこと、ヘルスボランティアだけでは十分に対応できないことが考えられました。今後これらの活動を継続する上で、村の女性など住民の参加を促す新たな活動が必要だと感じました。時間はかかると思いますが、ヘルスボランティアが体重測定の意味や目的を理解することで、ヘルスボランティア自身が村住民に参加を働きかけることが大切なのかもしれません。今後ISAPHとしても、きめ細かいフォローアップを継続し、有意義な研修会を開催していきたいと思います。