2005/10/15

セバンファイ郡保健局の母子保健活動への参加

ISAPH LAOS  芝田 澄子

まず始めに、郡保健局の母子保健に関するデータを収集するために、村別の乳幼児死亡数を調査しました。その結果、1歳以下の乳児死亡が、昨年は51名、今年は1月から8月現在までに66人が死亡していました。また、1歳以上5歳以下の小児死亡は今年は8名でした。

そこで郡保健局では、乳児死亡数の増加を問題として取り上げ、県保健局へ巡回母子保健活動の計画を提出し、特に死亡数が多かった6 村を対象として3ヶ月間活動することになりました。

カムアン県はラオス中央部に位置し、薄い水色で示したセバンファイ郡でプロジェクト活動を行っている私たちは、初回の8月31日から3日間、郡保健局が実施した活動に同行しました。活動の実施場所は、村の小学校や寺、村長宅など村の人口に合わせて選択し、近くの村は同じ場所で行いました。活動内容には、広報活動としてマイクとスピーカーを使用した衛生教育、予防接種、身体計測、栄養指導、妊婦検診、住民全員を対象とした診療、巡回薬局など多くのことが盛り込まれていました。ただし、衛生教育については診療が行われている最中に、スピーカーを通して郡保健局教育課職員による話が聞こえてくるだけで、村人からの反応や質問を聞くことはありませんでした。

予防接種は事前の診察や問診もなく、注射の説明や接種後の注意点についても説明はありません。予防接種後、身体計測が行われ、表を使い身長と体重から栄養評価を行っているのはいいのですが、その評価にもとづいた栄養不良児に対する母親への指導は行えていませんでした。また、妊婦健診は専用の場所が設けられておらず、3日間一人も健診に来た妊婦はありませんでした。子供から老人まで、診療内容は血圧や体温測定後、医師の診察、検査はマラリアのみで、薬剤処方がされていました。薬局ではORS、蚊の幼虫駆除剤、ビタミン剤などの販売配布がされていました。

3日間で240名の小児の身体計測を行った結果、80%以下の栄養不良児が1割に見られました。しかし、今回の検診には村の5歳児以下の人口のうち3分の1くらいの参加者しかなく、この活動を継続することによって乳児死亡が減少するとは思えません。しかし、郡保健局として問題に気づき、計画を実行したことは素晴らしいと思いました。母子保健活動に対する動機付けはされているので、その有効な活動方法について共に考えて行きたいと思います。