2005/10/15

ビエンチャンでのプロジェクト活動基盤整備

ISAPH LAOS  齋藤 賢之

本年5月のMOU(Memorandum of Understand-ing)署名式によって、ISAPH は正式な活動団体としてラオス政府から承認されました。しかし、現地で活動するための“人” や“モノ” への承認、また、事務所や住居など諸々の基盤整備については、この時点では着手できませんでした。

署名式を終えて本格的な赴任準備のため一旦帰国し、日頃からご支援頂いている皆様に見送られ、6月27日に日本を出発しました。ラオスに到着し、外務省・保健省へ着任の報告をしました。その後、早速、事務関係の諸手続きに取り掛かりましたので、ご紹介します。

駐在者の承認手続き

ラオスで活動する外国人は、団体として承認された上で、その団体に所属している人としても承認されなければなりません。そのための手続きとして、IDカードとマルチビザの取得があります。マルチビザ取得までの手順について記します。

出発前の書類準備

  • ISAPH 理事長の署名によるリクエストレター
  • ISAPH と駐在者の雇用関係を示す契約書
  • 駐在者の業務分掌書
  • 駐在者のパスポート(顔写真ページのコピー)
  • 駐在者の履歴書

上記の書類をラオス保健省経由で外務省国際機関局へ送付。到着後約2 週間で、シングルビザ(B-2ビザ)の発給許可書が発行される。この許可書(紹介番号)に基づいて、在日ラオス大使館などでビザを取得し、まずはシングルビザで入国する。

ラオス入国後の作業

  1. 内務省や外務省移民局を通じて、外国人登録者としてのIDカードを作成する。この際、出発前に準備した書類に加えて、パスポート(B-2ビザのページ)のコピー、外務省から団体として承認を受けた一連の書類にカバーレターを添えて申請する。⇒ 1年間有効のIDカードが発給される。
  2. 発給されたIDカードに、パスポート、承認を受けた一連の書類にカバーレターを添えて申請する。⇒6ヶ月間有効のマルチビザが発給される。以上が、手続きの概略です。

IDカードは、ラオス国内で活動する駐在者の身分証明書としてパスポートと同様に大切なものです。また、マルチビザはIDカードを所有する者にのみ発給されます。マルチビザが発行されたのが7月28日なので、最終的に申請に費やした期間は1ヶ月間でした。出発前にラオス外務省から受けたB-2ビザの許可証が在日ラオス大使館で照合できなかったり、申請手順に慣れていなかったりと多少のトラブルもありましたが、概ね順調に“人” としての承認作業は終了しました。

プロジェクト車両の購入と免税措置

本プロジェクトで購入した車両は、三菱の4WD ピックアップトラック1 台とホンダのオフロードバイク(200cc)3台です。道路や交通網の整備が遅れているラオスでは、これらの車両が、特にカムアン県内の郡病院から村落などへ移動するときなど、日常的な活動の足として欠かせません。

プロジェクトで購入した4WDピックアップトラックラオスで車両を購入すること自体は、日本の商習慣と大差なく、順調に作業を進めることができましたが、実際に乗り出すまでの作業は複雑かつ長期間を要します。ここでその詳細に触れることは省略しますが、購入した車両をラオス国内へ輸入する手続き、税法上の優遇措置を得る手続き(ISAPHは援助団体として承認されているので免税特権が付与されますが、一般人の使用となると何と購入価格の100%の税金がかかる!)、車両登録票(ナンバープレート)を取得する手続きがあります。保健・外務・国土交通・税務などの各担当省庁を奔走し、何とか手続きの最終段階にこぎつけ、現在、ナンバープレートの取得作業を進めております。

日本の常識で考えると、ナンバープレートがついていない車両は公道を走ることができないと思われますが、ラオスでは違います。B13(ボーシップサーン)という特別措置があり、ナンバーの取得が未了の車両でも公道での使用が可能です。ISAPH ではこの制度を利用し、四輪車については早期にラオス国内で使い始めることができました。これにより準備作業を速めることができ、また、カムアンでのマラリア調査、聖マリア病院井手理事長のラオス訪問などへの使用に供することもできました。ただ、アセアン会議など警戒体制下では、頻繁に検問の対象となってしまい、その度毎にB13許可済みの書類を提示し、取締り警官と問答しなければなりませんでした。

その他の活動

プロジェクト事務所について

県保健局の一角にある食品医薬品局の2階の2部屋と、セバンファイ郡保健局の結核治療施設の1室をプロジェクト事務所としました。県の事務所は県保健局担当者などとの連絡会や事務作業の場所として、郡の事務所は具体的な活動を展開するための基地として活用しようと考えております。この事務所整備の顛末記は芝田さんの報告に委ねますので、割愛します。

県事務所の住所
Khammouane Provincial Health Office.
Lao Phoxay Village, Thak hek Distr ict,
Khammouane Province, Lao P.D.R.
郡事務所の住所
Sebangfay District Health Office.
Khoua Se Village, Sebangfay District, Khammouane
Province, Lao P.D.R.

銀行口座、郵便窓口(P.O.Box)の開設について

ラオスで活動する団体は、ラオス国営商業銀行(BCEL:BANQUE POUR LE COMMERCE EXTERIEUR LAO) での口座開設が義務付けられています。ISAPHでは、この銀行のカムアン支店にドル建て口座とキープ立て口座を開設しました。

また、日本からの郵便物などを受け取るために、カムアン県郵便局に郵便物の受け取り窓口(P.O.Box)を開設する必要がありました。これは、齋藤が協力隊隊員当時に使用していたものを引き続き使用することができるようになりました。

自動車保険について

車両購入に合わせて自動車保険に加入しました。加入先は、ラオスで唯一と思われる総合保険会社AGLです。加入した四輪車の保険内容を紹介します。対人(死亡時1万ドル)・対物(上限4,500ドル)・搭乗者(死 亡時1名につき1,600ドル、運転者も含む5名まで)で年間の掛け金は約180ドルです。この内容は、ラオスで最高のもので、かつ、十分な保障ができるとのことでした。また、支払能力の無い相手との事故や僻地村落巡回時の不測の事故へ対応するべく、車両保険へも加入しました。保障価格の上限なしで車両本体価格の6.88%(= $1,530/1年)と高額となります。ラオスで活動する援助団体はほとんどがこの保険にも加入しているとのことでした。このような保険事情からもラオスの国柄を垣間見たような気がしました。