2005/04/01

現地調査と健康教育活動について

ISAPH  芝田 澄子

中長期活動において拠点となるカムアン県内のヒンブン郡とセバンファイ郡において、現地踏査と健康教育活動を実施しました。調査内容は医療従事者の個人情報や業務内容、健康教育の実施状況、医療施設、設備であり、郡病院2ヵ所とヘルスポスト8ヵ所で調査を行いました。

カムワン県2郡の現地調査

ヒンブン郡では15床の郡病院1ヵ所とヘルスポスト5ヵ所を訪問しました。現在の郡病院は2000年に県都からタイに近いメコン川沿いに移転しました。そのため郡病院の周辺には以前からあるヘルスポストが3ヵ所かたまっています。一方、遠隔地ではヘルスポストが老朽化してなくなっていたり、看護師がいなくなりボランティアに交代しているところが3ヵ所にみられました。県保健局では17ヵ所あると聞いていたヘルスポストが実際に行ってみると15ヵ所でした。一方、セバンファイ郡では、サブディストリクト(5から10ヶ所ほどの村が集まり形成している)単位でヘルスポストがあり、均等に配置されている印象を受けました。業務内容については規定のものはあるが、場所によって内容がばらばらです。

以上のように、県保健局や郡保健局が下位機関を把握できていない現状があります。報告事項も空白のまま提出されており、それを上位機関ではそのまま統計に記載しているため、確かな数字ではなくなっています。また医療機器が不足していることもありますが、血圧計が故障してなくなっているにもかかわらず、架空の測定値が記載されているなど看護技術以前の問題もみられます。ほとんどのヘルスポストでは、顕微鏡もなく検査が行われておらず、薬すら揃えていないところがあり、わずかに点滴や注射が受けられるくらいです。しかし、検査をするには臨床検査技師が必要になるが、県保健局職員はヘルスポストの役割は救急医療処置を担うところであると述べています。医療機器や検査や薬が十分になくても医療や看護の知識を持つことで住民の健康をサポートできると考えられます。今後は、現在行われている業務を見直し、看護技術レベルを把握することが必要と思われます。そして、現行の業務を確実に行えるようにするとともに習得している技術を確認し、正しい技術で行えるようにすることが重要です。

健康教育資材の提供

上記の現地調査の機会を利用して、同郡において健康教育資材の提供を行いました。第一次調査で多くの既存の教材があることが分かり、その中から内容も充実していて比較的容易に購入できるLao Media Product から入手した下痢の予防についての冊子と安全な水についてのポスターゲームを使用しました。医療従事者が健康教育の必要性を理解し、住民が受け入れやすいかたちで実施することが重要です。ポスターは、最初は口で説明するだけでしたが、実際にゲームに参加することで使用方法が理解できたようでした。最後のヘルスポストでは、野外でゲームを説明していたら、周辺の村人や子供が自然と集まり、今度はヘルスポストのスタッフがゲームの進行役になったという状況でした。今回は教育資材を利用しましたが、その使い道はさまざまであると考えられます。